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人間栄養のこと

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« 十五夜の頃 | トップページ | 他の職種は“人間栄養”をすでに知っている??? »

2019年9月25日 (水)

ICU(集中治療室)で実感した人間栄養

私は10数年前、
縁あって治療主体の急性期専門病院に就職することになった。

その頃、
管理栄養士は食事を中心とした働き方からの転換期を迎えており、
NCMやNST(栄養サポートチーム)など、
個々の対象者の栄養管理を進めるための手法が実践され始めたころである。

臨床の経験の無い私も、「流行りに遅れまい」と、
病院勤務に就き、NSTメンバーとなった。

初めてのNST回診で、
ICU (急性機能不全患者の24時間集中管理をおこなう集中治療室)に行った。

担当したある患者さんは、
術後に何らかの障害が発生して、
呼吸、腎機能の低下が著しい重篤な状態だった。

私は、
病室の呼吸や血圧などをモニターする機械音に戸惑い、
複数の点滴チューブ、
排せつのための管が装着された患者さんを眺めることで精いっぱいだった。
NSTチェアマンの医師は、私に
モニターの見方、
沢山のチューブ、
特に栄養ルート、排せつルートを詳しく説明してくださった。

これだけでなく、チェアマンからは、
管理栄養士も、
患者に触れること、
温かいか、冷たいか、むくみがあるかなど自らの手で評価し、
栄養計画に生かすことを教えられた。

NSTメンバーの様子を見ると、
看護師も、
薬剤師も、
患者さんを観て、触って、カルテや検査データを読み記録している。

回診後のカンファレンスでは、
それぞれ意見を出し合い
腎機能低下、術後侵襲に配慮しながら
投与栄養量を決めていった記憶がある。

その経過を経て、当面の栄養介入目標は、
「ICUからの退室」と決められ、
栄養素等の量の提案や
ICUでのモニタリングの注意点を集中管理室担当医師に伝え、回診を終了した。


私は、
NCMについて事前に学習し準備したつもりだったが、
この日、患者さんを前にして何一つ確かな評価ができず、
他職種が集めた情報に聞き入るばかりだった。

NST回診で、
私が役割を果たすにはどうしたらよいか、課題だけが残った。

回診を重ねる中で、
私は、
患者さんやNSTに役立つために、
患者さんの栄養評価に徹し、
補給する栄養素、
減量する栄養素の提案ができるようになりたいと考えるようになった。


初回NST回診の体験は
「人間栄養」を他職種から教えられた瞬間だったと、今も思っている。



「人間栄養」的な対象者中心の考え方は、
医師、看護師、薬剤師など 
医療者として、ごく自然に育成されてきたのだろう。

あの頃、「人間栄養」的態度や発想が身についていないのは、
管理栄養士だけだったのかもしれない。

このことは、あの回診で、私は考えられなかったが、
チームのメンバーが考えた栄養介入目標の「ICUからの退出」も、
治癒するために手術を選ばれた患者さんの気持ちに沿った当然の目標で、
まさに人間栄養に即した考えであることからも分かる。

他の医療者と同様に、
わざわざ「人間栄養」という言葉を掲げなくとも、
ごく当たり前に、目の前の対象者の「生きる」に貢献できる管理栄養士でありたいとと思う。

         ”えいようさん”の恵

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