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人間栄養のこと

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2019年8月30日 (金)

実感するまで時間がかかった「人間栄養」

今から15年くらい前のこと

栄養士会の研修で聞いた「モノからヒトへ」という考え方が
今思えば「人間栄養」がテーマの研修だったと思う。

この研修会から程なく、
1日1食、深夜23時から24時に食事をしている
30歳代後半の営業マンの栄養相談をすることになった。

肥満の他、
糖尿病、
脂質異常症、
高血圧症等の心配が色濃く血液検査値に出ていて、
ご本人は何とかしなければと来てくれたものの、
“仕事が忙しくて食事をする時間が作れない”と困り顔だった。


私は考えた・・・・。

彼は、
自分の習慣が良いことなのか
悪いことなのかを知らないでいて、
結果として、大切な人生を生きにくくしてしまっているかもしれない。

健康を大きく損ねると身近な人たちをも巻き込んでしまい、
食べることが命の源ではなくなる。


彼を前に、そんな想いが浮かび、本人に伝えた。

“元気に営業活動をするために、朝起きてから夕食までにあと2回の食事”
“1日3回食べられるといいけれど、できるかな?”


彼は、
“それならできると思う”
“会社に行ってからと、昼休みの2回、何かを食べる”
と答えた。

それから1か月後の面談時、
彼は朝、コンビニでおにぎり2個を買い、車の中で朝と昼に1個ずつ食べていた。

夜は今までと変わりない食べ方だったけれど、
コレステロール値がわずかだけれど改善していた。

私は、
“あなたは、まだできることがあると思う。”
“野菜ジュースや牛乳をプラスできると、足りないものを補えるのだけれど。”
と伝えた。


1か月後の面談時、
彼は、食事時に飲んでいた水が野菜ジュースや牛乳に替わり、
自身が満足するまで食べていた夜の食事量が少しずつ減るようになり、
それを朝食に回して食べるようになっていた。

コレステロール値はさらに改善し、体重も減量でき、
HbA1cや血圧まで正常値になっていた。


私は、栄養士として再び仕事を始めて間もなく、
今よりも知識もスキルも無かったと思うが、

“何を食べるか、何をどれだけ食べるか”ではなく、
“どうしたら元気に仕事ができるか、年を重ねられるか”
ということを、
私は対象者と一緒に考えることができ、
そして彼の若いパワーも相まって、彼自身が健康を取り戻した。


そのとき、
このちょっとしたやり取りから、対象者の力が発揮されることを、私は目の当たりにした。



「モノからヒトへ」
食品の組み合わせだけの栄養指導から、対象者の生活・食生活を丸ごと受け入れ
そこから考えていくフォロー

“これが『人間栄養』かもしれない” 
事例を通して初めて、わかったと思った瞬間だった。
 
”えいようさん”の伸助

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