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人間栄養のこと

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2019年4月21日 (日)

『人間栄養』を改めて考える

久しぶりに細谷憲政先生の著書「人間栄養の実際-栄養状態と食事-」を開きました。

人間栄養学の目標・目的は、人体の栄養状態nutritional status を改善していくことです。
 「人間栄養の実際-栄養状態と食事-」細谷憲政 著(2008年) P16


私達が、多くの方々に知っていただきたいと思っている
『人間栄養』とはどういうことなのか、
一つの考えがこの著書に既に書かれているのです。

このためには、人体の栄養状態を評価・判定nutritional assessment することが必要になります。
この結果に基づいて、栄養状態を改善するためには、
どのようなケアプランcare planを立てて、
効果的な栄養補給nutrition support (中略)を選択し、活用して、

傷病者に対応して行くことになります。このような場合、有効な栄養教育も併せて
実施していくことになります。“  

細谷先生の言葉は続きます。
この著書では、臨床栄養の実践活動について、
栄養士・管理栄養士が行うこととして書かれてありましたので
“傷病者”とありますが、
健康状態がよい方々も含めて、考え方は同じです。


『人間栄養』は「栄養状態」、
ひいては「健康状態」を改善して
生活の質=人生の質(QOL;Quality of life)を向上することにつなげる取り組みですが、
『人間栄養』を実践の中に取り入れるには
細谷先生の言葉の行間を、もう少し読み解いて行きたいとおもいます。


「栄養状態」は、
人体に必要な「栄養素摂取」が
欠乏-潜在的な欠乏-適正範囲-潜在的な過剰-過剰の中で流動的に動き、
たとえ同一人物であっても、同じ状態ではなく流動的に変化しています。
だから、
栄養士・管理栄養士は、対象者の「栄養状態」を「評価・判定すること」は、
一度だけではなく定期的に継続して行う必要があるのです。

また、『人間栄養』の考え方を用いて、対象者の方とお話しする際には、
「栄養素」や「栄養成分」レベルで対話をするよりも、
対象者が食生活の中で用いるレベル、すなわち「食品」や「食べ物」、「食事」で考えることが必要です。

加えて、「栄養素」や「栄養成分」は、
食品成分表の数値どおり、栄養代謝の理論どおりに
いつも同条件で同じように、作用、代謝されるものではないのです。

つまり、対象者に生じている事象を観察、把握することで、
この流動的な「食の営み」の中での
「栄養状態」を総合的に評価・判定することになるのです。

さらに、「いつ食べるのか」、「どんな組み合わせがよいのか」、「なぜ食べるのか」、
「何をして過ごしているか」、「身体の動かす程度」、
ひいては、それらに関わる対象者の「意向」、「信念」などの”想い“をも含めた
対象者の生活そのものを受けとめ、それらから生じている事象との関連を
見ていくという視点が必要だということです。

そして、
『人間栄養』の目標・目的は「栄養改善をして行くこと」ですが、
多くの人々は1度で何もかも改善することは難しいので、
段階的な「改善のための計画」を立てて、対象者が自発的に取り組んで行く、
栄養士・管理栄養士はその取り組みがうまく実施できるようサポートして行く、
両者共同の取り組みであるということを理解することが重要です。

これら一連の取り組みが『人間栄養』だと思います。
取り組みの枠組みは、これまでの「栄養素」、「栄養成分」の過不足だけの評価や
対象者の意向も確認せず、理想的な食事に当てはめるフォローの仕方と同じであるけれど、
その心構えとして、「人間」そのものの当たり前の姿をとらえてアプローチするという点で
違いがあるのではないでしょうか。

ここでは栄養士・管理栄養士と書きましたが、
健康に関する“想い”を持つ人々に関わる支援者すべてを対象として
『人間栄養』は広く受け入れて行ける取り組みだと思います。

健康でありたい、若々しくいたい、やせたい、病気を悪くしたくない、
足腰を弱らせず年を重ねたい・・・
『人間栄養』の考え方を実践して、「人体の栄養状態を改善して行く」ことができると
私達の目の前に訪れる対象者が持っているこれらの“想い”を実現することに
役立つのではないかと思います。


”えいようさん”のミッシー

 

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