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人間栄養のこと

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2019年4月 8日 (月)

患者さんの想いを知る(給食業務編)

給食運営は、栄養面だけでなく、安全、効率性などが求められる。
さらに、病院食は治療食という制約があり、どうしても画一的なメニューになりがちである。
それでも現在は、入院中でも個人の嗜好や食生活を把握し、
その人らしく療養できるよう個人対応など工夫がなされている。

人間栄養について考える時、
疼痛コントロールのために緩和ケア病棟に入院された少し気難しそうな印象のAさんを思い出す。


Aさんは、治療が奏功し、痛みが軽減し、ご自宅への退院が決定したが、
看護師から、「食事が心配で、退院できない」と不機嫌でだと連絡があった。

不機嫌のきっかけは、
数日前、Aさんが担当栄養士に、
「食事に、牛乳が毎日出るけれど、牛乳が好きでないので、どうしたらよいか?」と聞いたところ、
「いつでも、ヨーグルトや、ジュースに変更して提供できますよ」と言ったという。


「牛乳でなくても良いなら、何故、毎日、食事に牛乳を出す必要があるのか?
家ではどうすればよいんだ?」
と、混乱して、イライラがつのったようである。

後日、私は面接で知らされるのだが、
Aさんは、「毎日牛乳が出るのは、きっと自分の病気には、牛乳が必要なのだろう。
牛乳はあまり好きではないが、家に帰ったら、毎日、飲まねばならない。
自分は2階の自室で療養し、庭を眺め、ゆっくりしたい。
しかし、妻も歳を取り、足が悪く、食事の他に、2階まで、毎日牛乳を運ばせるのは、かわいそう」と悩まれていた。

昔気質のAさんは、奥様のことが心配であると、担当栄養士に話せなかったようである。
栄養士も、気難しい患者さんの機嫌を損ねないようにと、
病院食でも融通が利くとことを真っ先に伝えたとのことだった。

Aさんが混乱したことへ、栄養士はリカバリーを試みることとした。
そう、私は、患者さんと再び面接を行った。

Aさんには、病院食の提供の仕組みとして、
牛乳を優先して提供していること、
牛乳に含まれる栄養素について説明し、
牛乳以外の乳製品やチーズでも、蛋白質を十分に摂取できることをお話した。

少し安心されたのか、
Aさんは、Aさんが最も心配している奥様の様子や
お子様からの今後のサポート状況などを話してくださった。

自宅に小さな冷蔵庫を購入できそうとのことだったので、
息子さんに買い物の手助けと、2階までの運搬をお願いすることにした。

Aさんは、数日後に退院された。

タイミングを逸せず、
対象者の想いの把握に十分気配りし、
納得できる答えを返すことの大切さを教えていただいた事例だった。

 

  ”えいようさん”の恵

 

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