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人間栄養のこと

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2020年7月21日 (火)

「通いの場」の検討をして 思ったこと

これまで「通いの場」や
そこに集う対象者について
それぞれの知る限りのイメージを膨らませきた。

そんな中で、私が感じたことを書いてみたい。


ヒトは、必ず年をとるけれど、
私は「どう生きるか」を心がけて、
なるべく元気でいることを意識したいと思った。

そう、
ヒトは、
視力や聴力の衰え、
身体の疲労や痛み、
集中力低下、
不眠、
身体の内面の不安や怒り、
落ち込みさえ感じる日々の中で、

年をとることで、思い通りにならないことが増えたとしても、
自分でワタシ自身の限界を認識できてくれば、
相応の「元気で過ごすこと」が大切だと思うのだ。


そんな通いの場は、
一見 いつも同じようなお決まりの挨拶しか交わさない雰囲気であっても、
実は、人と関わりが生活の張り合いになるような気がする。

自分で判断する気持ちの余裕を失い、
元気が出なくなるようなことが増えていく中で

他者と関わることで自分に向き合い、
自分を意識して自分の大切なことに気づく。

人々と関わる機会が増えることで、
考え方や視野が広がり、
それはきっと心も身体の「元気」につながるだろう。

多少の心身の不具合を抱えながらも
自らの意志で「元気」でいたいと願う方々が集う場、
それが「通いの場」であるのだろう。

だから、この「通いの場」に関わるかもしれない専門職は、
その場を利用する方々が保有する「気力」「体力」「元気」など、一見観察しにくい部分にも配慮する必要があるのではなかろうか。

食事や栄養に関する課題は、
これら気力、体力、元気のささいな変化に影響を受けていることもあり、
私たち管理栄養士は、
このような一見観察しにくい部分の些細な変化にも、これまで以上に「通いの場」では留意していこう。

その際には、正論を押し付けるのではなく、
遠回りでも、利用者の方が自分で行動を見つけ、どのように動くのか、
今できることを少しずつでも増やす、
そんな気持ちに寄り添ったアプローチが必要と考えた。

”えいようさん”の伸助

2020年5月20日 (水)

「通いの場」に来る高齢者のイメージと生活機能

前回では、「通いの場」での高齢者のイメージについて検討しました。


今回の作業では、
そのイメージをもう少し具体的に膨らませてみました。

「膝や腰が痛い」
「トイレが近い」
「耳が遠くなった」など、
歳を重ねることで起こる身体的変化は、
単なる「機能低下」の独立した事象として捉えられてしまうことがあります。

また、私たち栄養士の仕事とは関わりの薄い領域と思い、これまではスルーしてきたことではないでしょうか。

しかし、
このような機能低下によって引き起こされることを考えてみると、
どうでしょう?

これらの事象(あるいはその原因)によって、
調理や買い物などができなくなったり、
食生活が変化したり、
精神的ダメージを受けることもあるかもしれません。
生活全体のバランスが崩れていくきっかけになる事象です。

スポーツ栄養で考えてみましょう。
アスリートに栄養が必要なのは、
パフォーマンス向上は言うまでもなく、
トレーニングに耐え得る身体を作るためです。

同様に、
日々の生活にも
筋力や持久力を支えるだけの栄養状態を保つ必要があります。

高齢者の機能低下の先に待ち受けるものを想像し、
その人の「どう生きるか」に関わっていくことが、
我々管理栄養士の役割ではないかと思います。

今回、
私たちが参考にしたのは、
ICF(WHOの国際生活機能分類)です。

その中では、
生活機能とは生きることの全体像であると捉えています。
また、フレイルや嚥下障害などのリスクを軽減するといった
「マイナスを減らす」ことより、
本人の意思や個性を尊重し、
今できることを実行する「プラスを増やす」ことに重点を置いています。

厚労省のHPで、
社会保障審議会(統計分科会生活機能分類専門委員会)の資料が閲覧できますので、
興味のある方はどうぞご覧になってください。

 

まだまだ作業を続けていますので、またブログでその経過を報告しますね。

 

”えいようさん”のhasebe

2020年4月16日 (木)

「通いの場」への人間栄養的なアプローチ  ~参加者イメージと管理栄養士の活動の検討~ その1

皆様 こんにちは

これまでの2回のブログで、
これから研究会で
「人間栄養的な関わり」
を具現化するフィールドとする
「通いの場」の現状、背景について紹介しました。


その中で、
健康寿命の延伸のため、
今、厚生労働省から、
管理栄養士は、地域の主体的な活動である
「通いの場」にリハビリテーション専門職の一員として
活動に参画することを求められていると知りました。

さらに、
「通いの場」での
管理栄養士の活動は、
最終的には高齢者の低栄養状態の回避にあるものの
単に栄養リスクの評価、介入が求められているのではなく、

「地域リハビリテーション」の考え方に基づき、
他職種と協力し、
高齢者が自身の低下した機能を補い、
再び生き生きとした生活を送れるようするための活動であることも知りました。


そこで、研究会では、
「通いの場」への人間栄養的アプローチ方法として、
「“参加者らしさ”を尊重し、他職種の活動にも役立つ栄養アセスメント項目の提案」を
目標に活動することとしました。 

まず、初めに取り掛かったことは、
「参加者らしさ」の共有でした。

「通いの場」に参加される高齢者のイメージを、
これまでの様々な高齢者との関わりを元に協議した結果、
見た目は自立、
外出意欲があり、
多くが女性で、
積極的な高齢者が浮かんできました。

活発な元気高齢者のイメージですが、
身体機能面にについて検討をしてみると、
「座位が苦手」、
「膝が痛い」、
「視力が弱く資料が読みづらそう」、
「長時間立つプログラムには参加しない」、
「トイレが近い」、
「判断に時間がかかる」
など、個人差はあるものの 機能の低下例がたくさん上がってきました

皆さんが、思い浮かべる高齢者のイメージも、そう違わないのではないでしょうか?

 

「通いの場」に来られる高齢者のイメージ

この人々をしっかりイメージできた次のステップを、次のブログでお伝えしたいと思います。

”えいようさん”の惠

「通いの場」への人間栄養的なアプローチ ~参加者イメージと管理栄養士の活動の検討~ その2

皆さん こんにちは。
前回、通いの場に来られる方のイメージを考えるところまで、書きました。

次のステップとして、
「リハビリテーション」の考え方に基づき
ここで上げられた機能低下に対する活動の在り方を考えてみました。

例えば、「座位が苦手」には「椅子を用意する」、
「膝が痛い」であれば「転倒予防の声掛けをする」などが考えられました。

これらは「通いの場」に限らず、
その人らしく安全に過ごすための方法として、リハ職など、他職種からすでに学んでいたことにも気づきました。

さらに、
“機能面の低下を補う”を視点に
管理栄養士の活動を考えてみました。

「長時間の立位が厳しいため
キッチンで調理をしなくなったのであれば、
キッチンに椅子を用意し、座って調理することを勧める。」、

「包丁で硬いものが切りづらい(いわゆる筋力低下)ならば、
カット野菜が販売されていることを伝える。」など。

機能面を視点にすると、このような活動になるのではないかということになりました。

つまり
「通いの場」での管理栄養士に求められている活動は、
様々な「食」と連動する日常動作(買い物、調理、摂食の状態など)について
機能低下をアセスメントし、
その人に適した介入活動で、その人らしく生きることにつながる関りではないかと共有するに至ったのです

それは“介入”ということではなく、
“エンパワーメント”であるのかもしれません。


このような関り方は、
リハビリテーションの考え方だけでなく、
この研究会で目指す
人間栄養的なアプローチともリンクするのではないかと思います。

また、これは、他職種とも連携を深めるきっかけにもなり、
さらに、欲を言えば、加齢とともに訪れるかもしれない
低栄養状態のリスク回避、健康寿命の延伸に繋がると
期待できるのではないでしょうか。
 


この検討は始まったばかり。
これからもっと議論を深め、
真に役立つ「通いの場」への人間栄養的なアプローチについて
検討を重ねたいと思います。

今後のブログでも、
少しずつの歩みですが、
目標達成に向けての検討経過を紹介して行きたいと思います。


世界中でコロナが猛威を振るう中、
当研究会もネット会議を中心に進めていく方針です。

皆様もどうぞ、
お一人おひとりが
コロナウイルス感染拡大に注意を払い、
この危機を乗り越えていけますようにと願っております。

”えいようさん”の惠

2020年3月18日 (水)

地域の「通いの場」と地域のリハビリテーション

皆さん こんにちは。

これから始まる「通いの場」への人間栄養的なアプローチを考えるにあたり、
まず、その「場」とはどのようなところで、どのような意図でその場を活用しようとしているのか、
もう少し深めていこうと思います。

高齢者が気軽に集まって様々な活動をする「場」だから、
管理栄養士は、ただ高齢者の栄養学的なリスクからアプローチすることだけを考えればよいのでしょうか?
なにかが足りないような気がします。
そこで先日研修会で学んだ「地域リハビリテーション」という考え方について、少しご紹介しますね。


地域リハビリテーションは、
障害のある人々や高齢者およびその家族が、住み慣れたところで、そこに住む人々とともに、一生安全にいきいきとした生活が送れるよう、保険・医療・福祉・介護及び生活にかかわるあらゆる人々や機関・組織がリハビリテーションの立場から協力し合って行う活動すべてのことを言う(日本リハビリテーション病院・施設協会 2001年)

と定義されていました。

リハビリテーションとは、一般的には病気や怪我で、心身が不自由になった人が、専門職の指導により回復することなのですが、
おそらくこの地域リハビリテーションでは、もっと深いものを感じます。

リハビリテーション(rehabilitation)を、その言葉の意味を示すよう分解してみると、
re +habilis + -artion 

の3つに分解できます。
それぞれの意味は、re:再び  habilis:適した、ふさわしい  -artion:~にすること
つまり、再び適したふさわしい状態にすること を意味しており、医学的に言えば「人間らしく生きる権利の回復」であり、権利・資格・名誉・尊厳の回復でもあると言われているようです。

それを地域のシステムとして行うことが、地域リハビリテーションなのであれば、
人間栄養的に考えると、管理栄養士は、もっとより具体的にできることを捉えることができそうですよね。


リハ職と呼ばれる、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士さんの考え方は、
失われたヒトの機能に対し、どのようにリハビリテーション(再び適した状態にするか)整理し、介入評価するステップを踏むそうです。

リハビリテーションの考え方は、例えば、遠くを見る視力が低下した場合(それがどのような疾病で、どのように治療するかではなく)、
例えば、視力の訓練という選択肢もあるだろうし、また道具を使って、今回はメガネやコンタクトをかけることで、遠くを見るという機能を「再び適した状態」にすることができたかどうか、というリハビリテーション介入と評価を行うようです。

確かに、病名がわかっても治療できることばかりではないことも、多々ありますよね。
そういう時には、このような考え方も大事だと思いますよね。

病気で考えるのではなく、どのような機能が失われていて、どのように適した状態にするか考える・・・ふむふむ・・なんかヒントになりそうだ!と
人間栄養的にこれから整理してみたいと思っています。

”えいようさん”のゆーさん

 

 

 

 

 



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