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人間栄養のこと

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2020年5月20日 (水)

「通いの場」に来る高齢者のイメージと生活機能

前回では、「通いの場」での高齢者のイメージについて検討しました。


今回の作業では、
そのイメージをもう少し具体的に膨らませてみました。

「膝や腰が痛い」
「トイレが近い」
「耳が遠くなった」など、
歳を重ねることで起こる身体的変化は、
単なる「機能低下」の独立した事象として捉えられてしまうことがあります。

また、私たち栄養士の仕事とは関わりの薄い領域と思い、これまではスルーしてきたことではないでしょうか。

しかし、
このような機能低下によって引き起こされることを考えてみると、
どうでしょう?

これらの事象(あるいはその原因)によって、
調理や買い物などができなくなったり、
食生活が変化したり、
精神的ダメージを受けることもあるかもしれません。
生活全体のバランスが崩れていくきっかけになる事象です。

スポーツ栄養で考えてみましょう。
アスリートに栄養が必要なのは、
パフォーマンス向上は言うまでもなく、
トレーニングに耐え得る身体を作るためです。

同様に、
日々の生活にも
筋力や持久力を支えるだけの栄養状態を保つ必要があります。

高齢者の機能低下の先に待ち受けるものを想像し、
その人の「どう生きるか」に関わっていくことが、
我々管理栄養士の役割ではないかと思います。

今回、
私たちが参考にしたのは、
ICF(WHOの国際生活機能分類)です。

その中では、
生活機能とは生きることの全体像であると捉えています。
また、フレイルや嚥下障害などのリスクを軽減するといった
「マイナスを減らす」ことより、
本人の意思や個性を尊重し、
今できることを実行する「プラスを増やす」ことに重点を置いています。

厚労省のHPで、
社会保障審議会(統計分科会生活機能分類専門委員会)の資料が閲覧できますので、
興味のある方はどうぞご覧になってください。

 

まだまだ作業を続けていますので、またブログでその経過を報告しますね。

 

”えいようさん”のhasebe

2020年4月16日 (木)

「通いの場」への人間栄養的なアプローチ  ~参加者イメージと管理栄養士の活動の検討~ その1

皆様 こんにちは

これまでの2回のブログで、
これから研究会で
「人間栄養的な関わり」
を具現化するフィールドとする
「通いの場」の現状、背景について紹介しました。


その中で、
健康寿命の延伸のため、
今、厚生労働省から、
管理栄養士は、地域の主体的な活動である
「通いの場」にリハビリテーション専門職の一員として
活動に参画することを求められていると知りました。

さらに、
「通いの場」での
管理栄養士の活動は、
最終的には高齢者の低栄養状態の回避にあるものの
単に栄養リスクの評価、介入が求められているのではなく、

「地域リハビリテーション」の考え方に基づき、
他職種と協力し、
高齢者が自身の低下した機能を補い、
再び生き生きとした生活を送れるようするための活動であることも知りました。


そこで、研究会では、
「通いの場」への人間栄養的アプローチ方法として、
「“参加者らしさ”を尊重し、他職種の活動にも役立つ栄養アセスメント項目の提案」を
目標に活動することとしました。 

まず、初めに取り掛かったことは、
「参加者らしさ」の共有でした。

「通いの場」に参加される高齢者のイメージを、
これまでの様々な高齢者との関わりを元に協議した結果、
見た目は自立、
外出意欲があり、
多くが女性で、
積極的な高齢者が浮かんできました。

活発な元気高齢者のイメージですが、
身体機能面にについて検討をしてみると、
「座位が苦手」、
「膝が痛い」、
「視力が弱く資料が読みづらそう」、
「長時間立つプログラムには参加しない」、
「トイレが近い」、
「判断に時間がかかる」
など、個人差はあるものの 機能の低下例がたくさん上がってきました

皆さんが、思い浮かべる高齢者のイメージも、そう違わないのではないでしょうか?

 

「通いの場」に来られる高齢者のイメージ

この人々をしっかりイメージできた次のステップを、次のブログでお伝えしたいと思います。

”えいようさん”の惠

「通いの場」への人間栄養的なアプローチ ~参加者イメージと管理栄養士の活動の検討~ その2

皆さん こんにちは。
前回、通いの場に来られる方のイメージを考えるところまで、書きました。

次のステップとして、
「リハビリテーション」の考え方に基づき
ここで上げられた機能低下に対する活動の在り方を考えてみました。

例えば、「座位が苦手」には「椅子を用意する」、
「膝が痛い」であれば「転倒予防の声掛けをする」などが考えられました。

これらは「通いの場」に限らず、
その人らしく安全に過ごすための方法として、リハ職など、他職種からすでに学んでいたことにも気づきました。

さらに、
“機能面の低下を補う”を視点に
管理栄養士の活動を考えてみました。

「長時間の立位が厳しいため
キッチンで調理をしなくなったのであれば、
キッチンに椅子を用意し、座って調理することを勧める。」、

「包丁で硬いものが切りづらい(いわゆる筋力低下)ならば、
カット野菜が販売されていることを伝える。」など。

機能面を視点にすると、このような活動になるのではないかということになりました。

つまり
「通いの場」での管理栄養士に求められている活動は、
様々な「食」と連動する日常動作(買い物、調理、摂食の状態など)について
機能低下をアセスメントし、
その人に適した介入活動で、その人らしく生きることにつながる関りではないかと共有するに至ったのです

それは“介入”ということではなく、
“エンパワーメント”であるのかもしれません。


このような関り方は、
リハビリテーションの考え方だけでなく、
この研究会で目指す
人間栄養的なアプローチともリンクするのではないかと思います。

また、これは、他職種とも連携を深めるきっかけにもなり、
さらに、欲を言えば、加齢とともに訪れるかもしれない
低栄養状態のリスク回避、健康寿命の延伸に繋がると
期待できるのではないでしょうか。
 


この検討は始まったばかり。
これからもっと議論を深め、
真に役立つ「通いの場」への人間栄養的なアプローチについて
検討を重ねたいと思います。

今後のブログでも、
少しずつの歩みですが、
目標達成に向けての検討経過を紹介して行きたいと思います。


世界中でコロナが猛威を振るう中、
当研究会もネット会議を中心に進めていく方針です。

皆様もどうぞ、
お一人おひとりが
コロナウイルス感染拡大に注意を払い、
この危機を乗り越えていけますようにと願っております。

”えいようさん”の惠

2020年3月18日 (水)

地域の「通いの場」と地域のリハビリテーション

皆さん こんにちは。

これから始まる「通いの場」への人間栄養的なアプローチを考えるにあたり、
まず、その「場」とはどのようなところで、どのような意図でその場を活用しようとしているのか、
もう少し深めていこうと思います。

高齢者が気軽に集まって様々な活動をする「場」だから、
管理栄養士は、ただ高齢者の栄養学的なリスクからアプローチすることだけを考えればよいのでしょうか?
なにかが足りないような気がします。
そこで先日研修会で学んだ「地域リハビリテーション」という考え方について、少しご紹介しますね。


地域リハビリテーションは、
障害のある人々や高齢者およびその家族が、住み慣れたところで、そこに住む人々とともに、一生安全にいきいきとした生活が送れるよう、保険・医療・福祉・介護及び生活にかかわるあらゆる人々や機関・組織がリハビリテーションの立場から協力し合って行う活動すべてのことを言う(日本リハビリテーション病院・施設協会 2001年)

と定義されていました。

リハビリテーションとは、一般的には病気や怪我で、心身が不自由になった人が、専門職の指導により回復することなのですが、
おそらくこの地域リハビリテーションでは、もっと深いものを感じます。

リハビリテーション(rehabilitation)を、その言葉の意味を示すよう分解してみると、
re +habilis + -artion 

の3つに分解できます。
それぞれの意味は、re:再び  habilis:適した、ふさわしい  -artion:~にすること
つまり、再び適したふさわしい状態にすること を意味しており、医学的に言えば「人間らしく生きる権利の回復」であり、権利・資格・名誉・尊厳の回復でもあると言われているようです。

それを地域のシステムとして行うことが、地域リハビリテーションなのであれば、
人間栄養的に考えると、管理栄養士は、もっとより具体的にできることを捉えることができそうですよね。


リハ職と呼ばれる、作業療法士、理学療法士、言語聴覚士さんの考え方は、
失われたヒトの機能に対し、どのようにリハビリテーション(再び適した状態にするか)整理し、介入評価するステップを踏むそうです。

リハビリテーションの考え方は、例えば、遠くを見る視力が低下した場合(それがどのような疾病で、どのように治療するかではなく)、
例えば、視力の訓練という選択肢もあるだろうし、また道具を使って、今回はメガネやコンタクトをかけることで、遠くを見るという機能を「再び適した状態」にすることができたかどうか、というリハビリテーション介入と評価を行うようです。

確かに、病名がわかっても治療できることばかりではないことも、多々ありますよね。
そういう時には、このような考え方も大事だと思いますよね。

病気で考えるのではなく、どのような機能が失われていて、どのように適した状態にするか考える・・・ふむふむ・・なんかヒントになりそうだ!と
人間栄養的にこれから整理してみたいと思っています。

”えいようさん”のゆーさん

 

 

 

 

 



2020年3月 9日 (月)

地域の「通いの場」への人間栄養的な関わりを考えて~プロローグ

皆さんは「通いの場」が、
今注目されていることをご存じでしょうか?

地域には、高齢者が気軽に集まって様々な活動をする「場」がありますよね。
皆で体操をしたり、おしゃべりをしたり、会食をしたり・・・。

介護保険のサービスとは別に、自主的に運営されているところもたくさんありますよね。

そういった”通いの場”の様子を分析したところ、、、、
例えば、その体操グループへの参加者は、参加していない方に比べて介護保険の「要介護」になる割合が低いとか、
体操でなくともおしゃべりサロンのような機会でも、同じような結果が報告されているようです。

健康のために、自ら、地域社会の場に継続的に、外出してくる、その「場」は、意味がありそうなんです。

そこで、この「場」に対し、医療専門職が関わることで健康長寿につながるよう事業化が厚生労働省を中心に進められています。

現在は、厚生労働省の「一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会」のまとめとして方向性が示されていますが、今後より具体化し、2020年4月から実施になるようです。



さて、そんな時代の流れの中で、私が住んでいる地域では、2019年度にモデル事業が行われています。

先日、その事業報告会で取り組みについて聞いてきましたが、疑問がたくさん残りました。

 

① 住民主体で既に運営されている「場」に、管理栄養士が関わっていくための、方法が難しそうであること
 例えば、主催している側の「会の意向や目的」が既にある中へ、後から関わる立場として、どのように入って行けばいいのだろう?

② 「通いの場」に、管理栄養士をはじめ様々な職種が関わっていく中で、どのようにして他の職種と連携していったら良いだろうか?
   
③ 管理栄養士が「役に立つ」ためには どのようにして行けば良いだろうか?

 

 人間栄養の考え方では、相手のことをよく考えて、その人のために役立つ支援をします。
 だから、この”通いの場”への関りも、その場らしさ、参加者らしさを考えたいですよね。

 やっぱり、栄養を押し付けるのではなく、関わりたい!

 そこで、私たちは、この機会を使って、考えたいと思いました。


 さて、この後のお話は、次のブログ発信者にバトンタッチします
 “えいようさん”の 妃世

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